2008(平成20年)年3月13日、1995年(平成7年)11月以来、12年4ヶ月ぶりに1トドル100円を割り、3月17日には95円台、10月24日には一時90円台、そして2010年(平成22年)8月24日には1995年6月以来、約15年2ヶ月ぶりに一時83円台へ。
そして2010年9月15日には一時82円台と急激に円高が進み、さらに2011年(平成23年)3月17日には3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で戦後最高値となる「1ドル76円25銭(翌日の2011年3月18日にG7の協調介入によって1日で81円台まで回復しましたが)」へ。
しかし介入から約5ヶ月後の8月19日には戦後最高値を更新する「1ドル75円95銭」へ、その後も円高基調は変わらず、2011年10月27日には3日連続(10/25~10/27)で戦後最高値を更新する「1ドル75円67銭」と、円高が続いたため、外貨投資を始めるなら今しかない!と、外貨預金、FXに関する問い合わせ、取引が各銀行、ネットバンク、FX業者に集中しました。
確かに1ドル100円どころか、90円、80円を切るのは過去を振り返ってみてもかなりの円高ドル安水準でしたので、個人投資家が外貨預金、FX(外国為替証拠金取引)に流れるのは当然だったかもしれません(2012年12月に自民党に政権交代し、急激に為替が円安方向へ振れた時も、外貨預金、FXを始める方が増えましたね)。
主な円相場(ドル円為替レート)の動き |
年月日 |
円相場 |
2008/ 3/13 |
1ドル100円を割る |
2008/ 3/17 |
1ドル95円台 |
2008/10/24 |
1ドル90円台 |
2010/ 8/24 |
1ドル83円台 |
2010/ 9/15 |
1ドル82円台 |
2011/ 3/17 |
戦後最高値となる1ドル76円25銭 |
2011/ 3/18 |
G7の協調介入によって1ドル81円台 |
2011/ 8/19 |
戦後最高値を更新する75円95銭 |
2011/10/21 |
戦後最高値を更新する75円78銭 |
2011/10/25 |
戦後最高値を更新する75円73銭 |
2011/10/26 |
戦後最高値を更新する75円71銭 |
2011/10/27 |
戦後最高値を更新する75円67銭 |
2011/10/31 |
戦後最高値を更新する75円32銭
(オセアニア外国為替市場) |
2013/ 1/18 |
2010年6月以来2年7ヶ月ぶりに1ドル90円台 |
2013/ 2/ 6 |
2010年5月以来2年9ヶ月ぶりに1ドル94円台 |
2013/ 3/ 8 |
2009年8月以来3年7ヶ月ぶりに1ドル95円台 |
2013/ 3/ 8 |
2009年8月以来3年7ヶ月ぶりに1ドル96円台 |
2013/ 4/ 6 |
2009年8月以来3年8ヶ月ぶりに1ドル97円台 |
2013/ 4/ 8 |
2009年6月以来3年10ヶ月ぶりに1ドル98円台 |
2013/ 4/ 8 |
2009年5月以来3年11ヶ月ぶりに1ドル99円台 |
2013/ 5/10 |
2009年4月以来4年1ヶ月ぶりに1ドル100円台 |
2013/12/27 |
2008年10月以来5年2ヶ月ぶりに1ドル105円台 |
2014/10/ 1 |
2008年8月以来6年1ヶ月ぶりに1ドル110円台 |
2014/11/ 6 |
2007年11月以来7年ぶりに1ドル115円台 |
2014/12/ 4 |
2007年7月以来7年4ヶ月ぶりに1ドル120円台 |
2015/ 6/ 2 |
2002年12月以来12年6ヶ月ぶりに1ドル125円台 |
2016/ 6/24 |
2013年11月以来2年7ヶ月ぶりに1ドル99円台 |
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このように外貨預金を始めるタイミングは「
日本円に対して外国の通貨が安くなった時(円高ドル安・円高ユーロ安など)」が基本中の基本なのは言うまでもありません。
外貨預金は金利が高いことが魅力的だと感じている方も多いと思いますが、実際には
金利以上に為替変動によって、円安ドル高(1ドル100円⇒101円方向~)による為替差益(資産+)、円高ドル安(1ドル100円⇒99円方向~)による為替差損(資産-)のほうが遥かに大きくなりますので、外貨預金を始めるタイミングは非常に重要なのです!
もちろん一概に円高方向へ為替市場が動いたとしても、どこまで円高が進むのかは正直誰にもわかりませんので、外貨預金を始めるタイミングは株と同様に非常に難しいのですが・・・
1つ言えることは「
外貨預金などの資産運用は自己責任」だということです。
テレビ、新聞、ネットでエコノミストやアナリストなどの専門家がいくら偉そうな事を言っても当たるときもあれば外れるときもあります。
自分の大切な資産を守り、殖やす為には勉強し、経験を積み、自己判断で行うしかない事だけは頭に入れておきましょう!
外貨預金を始める順序は基本的に以下の通りとなりますが、外貨預金を始めるまでの流れは金融機関によって異なりますので、詳しくは口座開設予定の金融機関HPなどでご確認ください。
1:銀行(ネットバンク)など外貨預金を扱っている金融機関の口座(普通口座)開設。
2:外貨預金口座開設。
3:日本円を口座(普通口座)に預け入れる。
4:外貨を購入(外貨普通預金⇒外貨定期預金)。
日本円から外貨を購入(預け入れ)、または外貨から日本円へ払い戻しするには市場の為替レートではなく、銀行(ネットバンク)所定のTTS(銀行売値)、TTB(銀行買値)が適用されます。
※直接、外貨で購入(預け入れ)し、払い戻す場合も直接その外貨で受け取る「外貨現金」する事も可能な銀行がありますが、外貨現金、または外貨送金は取扱っていない金融機関もありますので確認しておきましょう(手数料が安くて魅力的なネットバンクは外貨現金、外貨送金は扱っていない事が多いです)。
◎外貨預金購入から払い戻すまでの基本的な流れ
○日本円から外貨を購入(預け入れ)する場合
⇒市場の為替レートではなくTTS(銀行売値)で購入(預け入れ)
⇒市場の為替レートではなくTTB(銀行買値)で売却(払い戻し)
為替手数料が含まれた数値、TTS(銀行売値)、TTB(銀行買値)は各銀行(ネットバンク)によって異なりますが、為替手数料は都市銀行に比べてネットバンクが圧倒的に安くなっています。
⇒外貨預金為替手数料・金利比較ランキング
外貨預金は基本的に「
外貨普通預金・外貨定期預金」があります(銀行によっては通知預金や貯蓄預金も扱っています)。
○外貨普通預金の特徴
外貨普通預金は、日本円を銀行に預ける普通預金と同様に、金利は低いがいつでも払い戻す事が出来ることが特徴です。
確かに為替市場は常に変動していますので、いつでも払い戻す事が出来るのは大きなメリットかもしれませんが、外貨預金は金利が高い事も1つの魅力なので、外貨普通預金を行うのであればFX(外国為替証拠金取引)でレバレッジ1倍でするほうが遥かにメリットが大きいかもしれません。
⇒外貨預金vsFX(外国為替証拠金取引)
○外貨定期預金の特徴
外貨定期預金の場合、途中解約できない、またはできたとしてもペナルティが課せられます。具体的には・・・
○ソニーバンク
「当初約定金利の10%」か「解約日における当該外国通貨建て普通預金金利」のいずれか低い方をお預け入れ日にさかのぼって適用します。
○楽天銀行
外貨定期預金の中途解約の際の利息は預入日から解約日の前日までの期間について、「中途解約利率=約定利率×10%(小数点第3位以下は切り捨て)
」で計算し、中途解約利率を、お預入日に遡って適用いたします。
また外貨定期預金は一般的に、「1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年」と、日本円の定期預金よりも短い期間を設定されている場合がほとんどで、金利は預け入れ時のものが満期まで適用され、基本的に期間が長いほど金利も高くなっています。
金利が高いのであれば期間が長いほうがお得なような気もしますが、為替市場は常に変動しており、もし1年の外貨定期預金をした場合、3ヵ月後に大きく円安となり、いま日本円に戻せば大きく為替差益を得る事が出来るのに解約できないためにそのチャンスを活かせないことも十分考えられますので、短い期間を選択するほうがベターかもしれません(為替予約できる銀行は長くても良いかもしれませんが)。
頭に入れておかなければならないのは、「
金利以上に為替変動による為替差益、為替差損のほうが遥かに大きくなる」ということです!
ですので場合によっては外貨定期預金の中途解約によるペナルティを受けたとしても、大きく為替差益を受ける事が出来るのであれば中途解約する事も考えなければなりませんし、今後さらに為替差損が生じる可能性がある場合も中途解約を考えたほうが良いでしょう。
ちなみに満期後の扱いも各銀行(ネットバンク)によってさまざまで、自分の運用スタイルに合わせて選ぶ事ができます。
外貨定期預金の満期後の取り扱い |
自動継続 |
元利金継続 |
利息を元金に組み入れて自動継続 |
元金継続 |
利息を日本円で受取 |
利息を日本円に戻し、元金はそのまま継続。
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利息を外貨で受取 |
利息はその通貨の外貨普通預金に入金し、元金はそのまま継続。
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自動解約 |
日本円で受取 |
満期日に自動的に解約し、元金と利息を日本円に戻し、日本円口座に入金。
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外貨で受取 |
満期日に元金と利息をその通貨の外貨普通預金に入金。
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外貨定期預金は高金利が魅力ですが、「
金利以上に為替変動による為替差益、為替差損のほうが遥かに大きい」ことは前に説明したとおりです。
そこで為替変動によって満期日に大きく為替差損になることを防ぐため、または為替差益を確定するため、銀行(ネットバンク)によっては外貨定期預金の預け入れ時、または預入期間中に、満期日の外貨を日本円に交換する為替レートをあらかじめ予約できる「
為替予約(外貨先物予約)」というものを利用することができます。
ようするに満期日の為替レートと関係なく、満期日の為替レートが外貨定期預金の預け入れ時、または預け入れ中に確定するので、満期日の受取額も外貨定期預金の預け入れ時、または預け入れ中に確定するのです。
例えば、「1ドル100円時に預けた1年の外貨定期預金」がある場合、3ヵ月後に「1ドル110円」になり、これ以上円安ドル高が進まないと思ったときや、逆に「1ドル95円」となり、これからさらに円高ドル安になりそうなときは、この時点で為替予約することによって、満期時の外貨を日本円に交換する為替レートを確定することが出来るのです。
・1ドル100円⇒途中110円⇒為替予約で為替差益を満期前に確定
・1ドル100円⇒途中95円⇒為替予約で為替差損を満期前に確定
何だ。そんな便利なものがあるならお得だな、と思うかもしれませんが、為替予約する為替レートは「先物予約レート」といわれるその時の為替レートよりも多少不利な為替レートとなることが普通で、さらに外貨定期預金の中途解約、為替予約の取消ができないなど銀行によって条件がありますので、必ず事前に確認しておきましょう。
ちなみに外貨定期預金預け入れ時に為替予約する場合、手数料などを考えれば円定期預金とそれほど利回りが変わらないこともありますので、よく計算しましょう!
※為替予約できない銀行もありますし、為替予約出来るのは外貨定期預金預け入れ時に限定している銀行もあります。